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シストレ入門講座
システムトレード関連の著書で知られている山本克二先生に、資金管理(マネーマネジメント)についてのレポートを寄稿していただきました。これからミラートレーダーに取り組む初心者の方のために、特に分かり易く解説していただきましたので、是非ご参考にしてください。
『FX自動売買のマネーマネジメント入門』
山本克二著 オフィシャルサイト:http://www.k22fx.com
レポートをダウンロード (PDF:85.6KB)
右クリックメニューから[名前を付けてリンク先を保存]を選んで保存先を指定してください。
※ PDF形式のファイルを参照するには、Adobe Readerが必要です。
右のボタンから、アドビシステムズ社の ダウンロードページ にアクセスすると、無料で入手することができます。
HTML版
[目次]
はじめに
1.初心者が陥りやすい失敗
2.資金管理(マネーマネジメント)の重要性
3.じっくり待てるか否かが勝敗を分ける
4.システムトレードで起こる資金の動きを理解する
5.リスクコントロールの考え方
6.(1)リスク許容度というトレードの生命線に注目する
7.(2)潜在的ドローダウンを予測する
8.(3)ポートフォリオによるリスクコントロールの実際
9.まとめ 資金増減のイメージ
おわりに
はじめに
このレポートでは、システムトレーダーが知っておくべき、ごく基本的な資金管理(マネーマネジメント)について解説します。ブログやメルマガを通じて多くの読者と接している経験から、特に初心者の方がこのマネーマネジメントを理解しないままにトレードを始めたことによって、失敗している例を多く見てきました。そこで今回は、これから本格的にシステムトレード、特に自動売買を始められる方を対象に、マネーマネジメントの考え方やコツについて解説します。
このレポートは、基本的に私の著書を読んでおられない初心者を対象にしていますが、既に読まれた方でも、マネーマネジメントの基礎を再確認するために利用していただければと思います。少々長文になりますが、最後までどうぞお付き合いください。
ミラートレーダー公式コミュニティサイト開設を祝して
2011年7月1日 山本克二
1.初心者が陥りやすい失敗
シストレを始めたばかりという読者から、「1ヵ月ほど(デモ)トレードしてみたが、大きく損失を出したので、がっかりして中断してしまった。」というお話を聞くことがあります。ミラートレーダーの例を挙げれば、「Tスコアが上位3位までのストラテジー(売買システム)を、そのままポートフォリオに組み込んで数週間自動売買をしてみたが、1ヵ月後には大きく資金を減らしてしまった。結局シストレでは勝てないのでは?」といった内容です。
最近はシステムトレード、特に自動売買の環境が国内でも急速に整備されてきたことから、シストレ人口が爆発的に増えています。それ自体については、シストレへの間口が広がり良いことではありますが、投資家として最低限知っておかなければならないマネーマネジメントの知識がないままに、トレードを始めてしまうと、上記のような失望を招く可能性が高いと言えます。 実際に「損をしてしまった」という上記のような方のお話を聞くと、多くの場合、このマネーマネジメントに問題があります。逆に言うと、利用しているシステム自体にそれほど問題がないことも多いのです。
2.資金管理(マネーマネジメント)の重要性
マネーマネジメントの知識が全く無い状態でシストレに取り組むと、おそらく、8割以上の人が先述の例のように損をして(正確には、損をしたと思って)、トレードを中断してしまうのではないかと思います。 しかし同時に、淡々とトレードを続けて、結果的には利益を手にしている経験者の存在にも気づくはずです。 この初心者と経験者の勝敗を分ける差として大きいのが、マネーマネジメントの知識なのです。
実際に、同じシステム、同じポートフォリオでトレードしても、経験者と初心者では、結果が違ってきます。そう聞いて意外に感じましたか?「システムトレードだから、良いシステムさえ選べば勝てるのでは」…と。もしそうであれば、あなたは、この時点でマネーマネジメントの重要性に気づいていません。このレポートを参考にしてじっくりと考えてみる価値があると思います。
このレポートでは、シストレでよく話題になる「良いシステムの選び方」は一旦棚上げにして、マネーマネジメントについて解説します。具体的には、各システムにトレードさせるロット数、つまりマネーマネジメントの違いだけで、勝ち負けが分かれる原理、そしてその解決法について知っていただくことをテーマにします。
3.じっくり待てるか否かが勝敗を分ける
マネーマネジメントの観点から、初心者がシストレで勝てない(正確には勝てないと感じる)理由の多くは、「じっくり待てない」ことが原因です。私の分析の結果では、ミラートレーダーのシステムは平均的に3~6ヶ月のトレード期間がないと、実力が発揮できません。それより短い期間では偶然の影響が大きく、実力があっても「たまたま負ける」ということがあるからです。
例えばスポーツの試合でも、一発勝負であれば偶然に実力の低いチームが勝ってしまうこともあります。しかし、年間何十試合も戦ってその合計で勝敗を分けるなら、実力あるチームが結果として勝つことになるでしょう。それと同じような現象です。 つまり、システムトレーダーは「長期的な視野でトータルとして利益を得る」という考え方に立つ必要があります。逆に短期的な結果に注目してしまうと、偶然性に翻弄されて、真実が見えなくなるということです。
そして、「じっくり待てない」原因は大きく分けて2つです。
①システムトレードで起こる資金の動き(増減)の特徴を理解していない。
②リスクがコントロールできていない。
そのため、損失ばかりが目に付きハラハラドキドキのトレードで精神的に疲労してしまい、更にある所で大きく損失を出してショックを受け、トレードを止めてしまうということが起こります。 かなり経験のあるシステムトレーダーでも、「勝って利益を出したトレードより、損失を出したトレードに対する印象が強いので、勝率80%以上のシステムでなければ、利益がでていても、勝っているイメージはない。」という人もいるくらいですから、実際の損益と心理的な印象が食い違うことは多々あります。
そういうトレードの世界で、個々のトレードに一喜一憂することなく客観的になって、じっくり待つことは、それほど簡単なことではありません。 また、初心者は多くの場合、自分が本来負えるリスクより大きなリスクを負ってしまっています。これは「リスクをコントロールする技術を持っていない」ため、「根拠のない一種のカンでロット数を決めてしまっている」からです。その結果として、マネーマネジメントの知識のあるトレーダーからみれば、利益を出す過程として当然起こるべくして起きているドローダウンにも、大きなショックを受けてしまいます。 つまり、システムの良し悪しとは別の要素、すなわちマネーマネジメントだけで、トレーダーが負けてしまうというケースがあるということです。
システムは淡々と利益と損失を繰り返しながら、長期的にみれば確実に利益を積み上げていたとしても、マネーマネジメントができていなければ、その途中でトレーダーが負けたと感じてトレードを中断してしまうということがあり得るわけです。 このレポートでは、このような問題を解決するため、以下の2点について詳しく解説していきます。 ① 資金の動きを理解する ② リスクコントロール
4.システムトレードで起こる資金の動きを理解する
最初に理解しなければならないのは、システムトレードでは全ての売買で勝つことはあり得ないということです。毎回勝って利益が積み上がっていくようなトレードができれば理想的ですが、現実のトレードでは、どのようなシステムでも必ず損失を出す(ドローダウンする)期間があります。
つまり、「ある期間の中で利益と損失の両方があり、そのトータルをプラスにするためにどうすべきか」というのが基本的な考え方です。それには、決して一回一回のトレード結果に一喜一憂しないことです。 そして、シストレ,裁量トレードに限らず、経験あるトレーダーが口をそろえて言うのが、最終的に利益を手にするには「ドローダウンを耐えてトレードを継続する」ということです。ドローダウンを織り込まないサクセスストーリーだけをイメージしてトレードを始めると、特別な幸運に恵まれない限り、数ヶ月以内に、耐え切れない損失を出すことになります。そして、トレードに失望して撤退することもあり得ます。つまり、「ドローダウンはトレードにはつき物であって、それに耐えて継続することができなければ、その後に訪れるはずの利益を得るチャンスも同時に失う」ということです。
例えば、トレードを100回以上してプロフィットファクター(PF)が2.0以上のシステムといえば優秀な方ですが、これは1000ドルの利益を出すために、1000ドルの損失を出したということです。 もう少し細かく言うと、PFが2ということは、合計1000ドルのドローダウンに耐えた結果、2000ドルの利益を得て、トータルとして1000ドルの利益を得たということです。このことからも、損失に耐えられないトレーダーは、利益も得られないということが分かると思います。 利益の出る良いシステムを使っていれば、長期的にみて資金は徐々に増えていくはずです。しかし、短期的には増えたり減ったりを繰り返しながら、徐々に増えていくイメージを描いてトレードを続けていくことが大切です。
5.リスクコントロールの考え方
しかし、実際にお金が動くトレードの世界では「ドローダウンに耐えてトレードを継続すること」は、容易ではありません。トレード破綻の直接的な原因の多くは、資金不足でも強制ロスカットでもなく、精神的なショックですが、大きな損失を被ってトレードに自信を失い、トレードを中断してしまったトレーダーに対して単に「ドローダウンは耐えるべき」と精神論を言っても解決にはならないからです。
現実的なその答えは、自分が耐えられるドローダウンを知って、それ以上のドローダウンが起きないように投資額を調整することです。これを「リスクコントロール」と言っていますが、そのようにすれば、ドローダウンに耐えて、またはショックを受けることなくトレードが続けられ、結果として次に訪れる利益のチャンスをものにできるはずです。 この考え方を更に掘り下げて具体化すると、その手順は以下のようになります。
(1) リスク許容度(許容額)を知る
(2) 利用するシステムのリスクである潜在的最大ドローダウン(DD)を予測
(3) ポートフォリオの作成の段階で潜在的最大DDをリスク許容度の範囲内に抑える
ここで言う、(1)リスク許容度は「失っても平気でトレード継続できる金額」、(2)潜在的最大DDは「確率論的に最悪でもこれ以上のドローダウンは起きないだろうという数字」ですから、上記の手順でポートフォリオを作成すれば、結果として、ドローダウンに心を乱されることなく、トレードを継続できるようになります。 ここからは、(1)~(3)に分けて、さらに詳しく実践的な内容を解説していきます。
6.(1)リスク許容度というトレードの生命線に注目する
ここからは、上記の3段階の最初、(1)リスク許容度を知ることについて、もう少し詳しいお話をします。 私はリスク許容度(額)について、「失っても平気でトレードを継続できる金額」と定義しています。システムトレードと言っても、資金管理をするのは人間です。そのため、トレーダーがショックを受けるような損失を出すと、トレードは中断(破綻)してしまいます。
トレードの中断は、損失を確定するということですから、それでは損をするためにトレードしたようなものです。 そこで、トレーダー個人個人によって異なる「リスク許容度」を知ることが、リスク管理の出発点になるべきなのです。そして、それはトレーダー個人の経済状況や、性格などによるところが大きいということを自覚する必要があります。 同じFX口座残高が100万円のトレーダーであっても、1万円失うと不安になりトレードを中止してしまう人がいれば、100万円の全額を失っても何事も無かったように更に100万円を振り込む人もいます。この場合、前者のリスク許容度は1万円未満、例えば5000円程度と考える必要があり、後者は100万円以上でしょう。
私のブログには、多くの読者から質問や相談のメールが寄せられますが、それらにお答えしてきた経験から言えることは、この「リスク許容度」という考え方は、トレード経験のない(もしくは浅い)読者には、なかなか理解ができないということです。トレードで損をするという、その心の痛みを経験していないと、どうしても分かり難いのです。そのため、特に初心者は口座残高や書籍に載っている投資額、ロスカットの基準値など、自分の外にある情報から投資規模を決めてしまうわけです。
これが、初心者がドローダウンによって苦痛を感じる原因です。 つまり、トレードが破綻する原因は人の心にあることを自覚する必要があります。資金管理の出発点として自分の中にある「リスク許容度」に注目してください。 「あなたは、トレードでいくら失ったら動揺するでしょうか?」 この質問に答えを見つけてから、次に読み進めてください。大きな損をしてからでは遅いので、リアルマネーのトレードをする前に、ご自身のリスク許容度をしっかり把握してから取り組んでいただきたいと思います。
7.(2)潜在的ドローダウンを予測する
「リスク許容度」の次として、売買システムを使う時のリスクをコントロールする方法について解説します。 これまで単に「リスクをコントロールする」と言ってきましたが、実際にリスクのコントロールをするためには、これを、「リスクを具体的な金額として見える化する」ことと、「把握できたリスク額を大きくしたり小さくしたりする、つまりコントロールする」ことの2つに分けて考える必要があります。
この考え方は車の運転に例えると分かりやすいかもしれません。ドライバーが安全に運転するには、まずフロントガラスがクリアで前方がよく「見える」必要があります。前にある危険を察知するためです。ただし、それだけでは、危険は避けられません。ブレーキやハンドルが正常に機能し、自動車のスピードや進行方向を「コントロール」する必要があります。 つまり、「見える」ことと、「コントロール」できることの両方ができて、初めて安全に運転ができるわけです。どちらか一方だけでは万全といえません。
ここでは最初に、リスクを見える化する方法について解説します。 さて、システムトレードにおいて「リスクを見える化する」とはどういうことでしょうか? シストレにおけるリスクの見える化というのは、自分の利用しているシステムが「どの程度の損失を出す可能性があるか」を数字で把握するということです。 これまで述べてきているように、最終的には勝てる良いシステムでも、途中ではドローダウンする局面もあるわけですから、そのドローダウンがどの程度かを予め覚悟しておくことが大切です。具体的には、システムの最大ドローダウン(DD)を予測するということです。
これを聞いて、リスクの金額を定量化することはとても難しいように思うのではないでしょうか? 確かに、リスクを金額という具体的な数値として知った上で、上手にコントロールして、安全な範囲内でトレードすることはとても重要なことです。しかし、現実のトレードでは勝つ場合もあり、負ける場合もありで、どの程度損をする可能性があるかを予測するのは容易ではありません。 それは、トレード結果がある程度偶然性の影響を受けるからです。そういう意味で、現実に存在する良いシステムというのは、いつも勝つシステムではなく、「勝ったり負けたりするが、その損益をトータルした時に勝っているシステム」ということになります。逆に言うと、勝てる良いシステムを使ったとしても、トレードの途中では予測をはずして損失を重ねる場合があるということです。言うまでも無く、これがドローダウンですが、上記のように偶然性の要素があるため、どの程度のドローダウンがあるか予測がつき難いことも事実です。
そこで役に立つのが、確率論や統計学といった数学的な手法です。実はトレーディングシステムが発生するトレード結果というのは完全にランダムなものではなく、ある一定の法則性を仮定することができます。 最大DDの予測には、様々な方法が考えられますが、ここではその一例を紹介しますと、以下のような算式になります。
潜在的最大DD=「(a)1回の負けトレードで失う最大金額 x (b)可能性としての最大負け数」
例えば、あるシステムが、一回の負けで最大150pips失い、連続して最大5回負ける可能性があれば、そのシステムを利用する場合最悪「150pipsx5回=750pips」のドローダウンを最初に覚悟した上で利用しなければならないという考え方です。 以下に、具体的な計算方法について簡単に書いてみます。
(a)ミラートレーダーのシステム(ストラテジー)を利用する場合には、簡易的に一律300pipsと見ていいと思います。ミラートレーダーに限ったことですが、基本的にどのシステムもエントリーの際に300pips以内のストップ注文をつけることになっているためです。多くのシステムではもっと小さな値なので、実際より大きな最大DDの予測になってしまいますが、リスクの予測はトレードの生命線ですから、安全方向に誤差があることは許容できます。
(b)可能性としての最大負け数は、次の式で予測します。 =CEILING(LOG(1%,1-B2),1) これは勝率をB2セルに入れると、最大負け数を予測する計算をエクセルの式にしたものです。(3つ以上のシステムを並行して利用することを前提としています。) 上記の式で最大DDを予測すると、例えば勝率70%のシステムを利用する場合には、4回連続して300pips=合計1,200pips負けることを折り込んでトレードする必要があるというようなことが分かります。
因みに、そのシステムが過去に発生した最大ドローダウンをリスクと考える方法もよく使われますが、私は、この方法は危険だと考えています。過去のトレードで経験されたものより大きなドローダウンを、それ以降のトレードで経験することはよくあることです。これまでのドローダウンが最大300pipsだったから、今後もそれ以上のドローダウンを経験しないと考えることには、何の根拠もありません。そのため、私は確率論的に最大起こり得るドローダウンを数学的に求めることをお勧めしています。「潜在的」という言葉を最大DDの前につけているのもそのためです。 もう一つ、同時に2本、3本とポジションをとるシステムの場合は、上記の値を2倍、3倍にする必要がある点にご注意ください。
8.(3)ポートフォリオによるリスクコントロールの実際
ここまでの解説で、2つの重要なキーワードについてご理解いただけたと思います。一つはリスク許容度、そしてもう一つは潜在的最大DD(リスク)です。ここからは、その2つキーワードを使って、当初目的とした「じっくり待てる資金管理」を実現する方法について述べます。 基本的な考え方は、利用しているシステムの潜在的最大DD(リスク)の合計を自分のリスク許容度内に収めるようにするということです。このようにすれば、最悪の事態、つまり潜在的最大DDの発生時にも慌てずに、余裕をもってシステムが自動的に行うトレードの結果を見守っていくことができます。
ここで考えなければならないのは、リスクの大きさをどのようにして変えるかです。リスク許容度は個人個人に固有の値ですから、短期的には変えることができません。そこで、ポートフォリオの作成という手段で、リスクの方の大きさを調整する必要があるわけです。ポートフォリオの作成というのは、例えばミラートレードで言うとストラテジー(システム)検索のリストから「+」ボタンを押して、「ポートフォリオ」タブにシステムを追加することです。 この時、利用するシステムを選ぶことと、そのシステムで売買する投資額(ロット数)を決めます。例えば、利用しようとしているシステムのリスク額が自分のリスク許容額より大きな場合は、もっとリスクの小さなシステムを選ぶことで対処します。また、ある程度の大きさのリスク許容額のトレーダーであれば、幾つかのシステムを組み合わせて、リスク分散をしつつ、そのリスクの合計を、自己のリスク許容額の中に納めることができるでしょう。
もう少し具体的な手順を言うと ・あらかじめ利用したいシステムをピックアップする ・それぞれのシステムのリスクを計算する ・自分のリスク許容額の範囲内になるようなシステムの組み合わせを作る 上記のようにリスクはコントロールできます。そして、しっかりとリスクコントロールができている状態になれば、時には資金が減る局面もありますが、決して精神的にショックを受けたり、落ち込んだりするほどのドローダウンを経験しなくなります。その結果として、余裕を持って長くトレードが続けられるようになるのです。
9.まとめ 資金増減のイメージ
これまで解説してきた内容を整理しますと、第一に「個々のトレード結果に一喜一憂しないでじっくり待つ」、第二に「最終的に利益を手にするにはドローダウンに耐える必要がある」、第三に「ドローダウンに耐えるためにリスクは自己のリスク許容度の範囲内に収める」といことになります。 最後に、資金の増減の推移という観点で、これまでの述べてきたマネーマネジメントについて見てみましょう。

<図:資金増減のイメージ>
しっかりしたマネーマネジメントができている状態で良いシステムを選べば、上図のように資金は増減を繰り返しながら長期的には徐々に増えていきます。また、その過程ではドローダウンもありますが、自分のリスク許容額を上回るような大きな損失を招くことはありません。
図では、損益の期待値から最大DDを差し引いたラインを「ボトムライン」と名付けており、期待値を軸にして実際の資金はその上下に振れています。本来リスクという概念は資金が上に振れる場合も指すのですが、増えるのは誰しも気になりません。しかし、下に振れるのは精神的なダメージになります。ですから、常にボトムラインを意識してリスクをコントロールすることで、それに触れないようにしていくことが重要です。そういうマネーマネジメントができて、はじめてトレードが破綻しなくなります。また、発生するドローダウンもすべて想定内になることで、安心してシステムにトレードを任せておけるようになります。
おわりに
つたない文章でしたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 以上で解説してきた方法で実際に資金管理を始めようとすると、最初はかなり手間がかかると思います。システムトレードは順調にトレードが始まってしまえば、後は見ているだけですから、手間がかかりません。ある意味で、始まってからは手が出せないともいえますので、それだけ事前に十分な準備や計画性が必要なトレード手法なのです。
また、FXはレバレッジが効くので、信頼できるポートフォリオさえできれば、後で利益を加速度的に増やしていくことが可能ですから、慌てずにじっくり取り組むのが得策です。 最初が肝心なので是非、ポートフォリオの作成、特に各システムへのロット数の設定には、焦らずに納得のいくまで時間を使っていただきたいと思います。 そして、皆さんが無理のないマネーマネジメントを実践されることで、長期に渡ってトレードし、最終的に勝ち組トレーダーの一人になっていただければ、私にとってこれ以上の喜びはありません。 皆様の、トレードの成功を心からお祈りしています。
山本克二
オフィシャルサイト:FXブログ システムトレード研究室(http://www.k22fx.com/)
※このレポートで解説していることについては、拙著『FX自動売買・ガチンコ投資必勝技』(技術評論社),『使える売買システム判別法』(パンローリング)などに、より詳しく書いています。興味のある方はご一読ください。
※本文に掲載されてる情報等は、一般的な情報提供を目的としたものであり、資産運用、投資等に関する決定は、利用者ご自身の判断でなされるようにお願いいたします。情報の内容に関しましては万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。当該情報に基づいて行った行為により被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねますのでご了承下さい。このレポートは山本克二が著作権を所有しています。許可なく複製・転用・販売を禁じます。
